宮尾 さわこ / 建築設計事務所 スタッフ

多くの人の手を借りて
1つのモノを造り上げる

幼い頃から親しんできた建築

幼少の頃は、神社や寺などの古い建物を眺めることや、
その建物の中に入り、落ち着いた空間に身を置くのが好きだった。
しかしそれは漠然と考えていたこと。もちろん当時は、
「建築の世界で働きたい」と思っていたわけではない。
そして、大学時代。美術大学のデザイン学科に通い、
グラフィックデザインを中心に学んでいたが、
一人で行う創作作業よりも、多くの人の手を借りて
造り上げていく作業に興味を持つようになる。

「ふと、幼少の頃を振り返り、寺や神社をはじめとした
古い建築物が好きだったことを思い出しました。
話に聞くと、建築家の仕事は、
クライアントと建設会社、工事現場の方々など、
まさに多くの人の手を借りて造り上げていく仕事。
大学4年のときに建築関連の仕事に就きたいと
考えるようになりました。
そこで、大学の恩師の紹介を受け、
翌年から早稲田大学芸術学校に通う決心をしました」

自分のスタイルを見つけ出す

在学中は、第一線で活躍する建築家をはじめ、
構造家や歴史家といった専門家についての講義を受け、
製図の知識や技法、法規や構造力学といった
「建築に関する基本的なスキル」を身につけられたほか、
「自分のスタイルを発見する良い機会になった」と言う。

『建築設計製図』(※1)など、講義によっては
1回の授業で講師の方が5人以上もいたので、
各先生方に意見を求めると、
レスポンスのバリエーションもさまざま。
最初は戸惑いましたが、幅広い意見の中から、
どんなやり方が自分に向き、
どんなアドバイスを取り入れると
より作品を生かせるかを選びとり、
自分のやり方を発見することに繋がりました」

また、すでに絶版になったヨーロッパの建築家の本や、
希少な古い設計図面など、
貴重な資料を紹介されたことも印象的だったという。
「現役で活躍する建築家の先生が多いためか、
貴重な資料がとにかく豊富。
授業で紹介された北欧の建築家・AlvarAaltoの
作品を見たときは、設計プランの面白さ、動線の素晴らしさに
衝撃を受けました。
それ以来、いまだに影響を受け続けています」

alvar aalto
「Alvar Aalto」の作品集。
「初めてAlvar Aaltoの作品を見たのは図書館の図面でした。彼の作品集が好きなのは、見るだけで空間のやさしさが伝わってくるところです」

いつか住宅の設計を手がけたい

08年に卒業し、今年の1月に、
同校の講師を務める建築家・須田充洋氏の
個人事務所「SUDA設計室」に入社したばかり。
建築確認申請(建築基準法に適合するかどうか確認し、
行政に申請する)から、クライアントの打ち合わせの同席、
設計図や模型の作成、現場での立ち会いなど、
建築家の補佐的な仕事にトータルに対応している。

現在、SUDA設計室では
幼稚園の増築工事の設計を手がけており、
彼女も児童室の窓部分の作図を担当した。
ただし、窓の設計図だけでも、打ち合わせを何度も繰り返し、
約1ヶ月半で3〜4回描き直したそう。
「何度も描き直すことは、手間も時間もかかりますが、
満足していただけたときは本当に嬉しい気持ちになります」

今の目標は、
まずは一人前の建築家になることだという。
「この仕事を始めてから、
まだ半年くらいしか経っていないので、まだまだ未熟です。
いつかは一人前の建築家として、
住宅の設計をしてみたいと考えています」

仕事中のミヤオさん
建築確認申請は、自分でインデックスを貼って見やすくした
「建築関係法令集」から主に調べる。
「審査機関に申請して一度で受理されることのほうが稀なので、
行政にも足を運び、何回も調べ直すことは多々あります」

(※1)建築設計製図
建築設計製図Iでは、図面の書き方、読みとり方等を学びながら、
建築を支えている基礎的知識を習得。
建築設計製図IIでは、Iで身につけた基礎をもとに、
住宅を題材にしてその応用を学び、
後半には具体的な住宅設計の課題が与えられ、
考え方・図面表現・デザインなどを総合的に学ぶ。
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宮尾 さわこ / 建築設計事務所 スタッフ

1982年長野県生まれ。
大学卒業後に
早稲田大学芸術学校建築設計科へ入学。
卒業設計で稲門建築会賞を受賞。
卒業後はSUDA設計室へ入社。
建築事務所のスタッフとして働きながら、
夢に向かって歩んでいる。

 

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幼稚園の増築工事の設計図
現在、SUDA設計室で手がけている
幼稚園の増築工事の設計図。
図面は160ページにわたるこの1冊にすべて集約。
宮尾さんが担当したのは6ページにわたって
描かれる児童室の窓部分。

宮尾さんの道具
  • B6サイズのリングノートと黒いメモ帳
    B6サイズのリングノートと黒いメモ帳

    リングノートは、仕事専用。打ち合わせなどで使用する。「大きすぎず、小さすぎず、一番使いやすい
    サイズです」
    黒いメモ帳は、プライベートで出かけたときに、
    気に入った建築物や設計に関して気づいたことをメモする。「小さな鞄にも入るので手軽に持ち運びできます」

  • 勾配定規
    勾配定規

    設計図を作成するときに使う。
    スロープの勾配を決めたり、
    屋根の勾配を描くときなどに使用。
    補助定規をあて、中央の締め付けネジを
    ゆるめると斜辺板が開く仕組みに。
    必要とする目盛りにカーソル線を合わせて
    固定して線を引く。

  • 文房具
    カッタータイプの消しゴム(左)
    製図用シャープペン(中央)
    ピンセット(右)

    カッタータイプの消しゴムは、
    手描きの図面などを作成するときに、
    細かいところもキレイに消せる。
    製図用のシャープペンは、一般的なものより、
    ペンの先端部分の金属が長いので、
    平行定規などを当てやすい。
    ピンセットは、建築模型を制作するときに使う。

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